第26回技術士全国大会(岡山大会)

1999年10月20日、第26回技術士全国大会が開催されました。自宅近く(約70km)で行われることもあり、前日の見学会と、大会当日の分科会に思い切って参加しました。

前日見学会

見学は2箇所、始めに白煉瓦の工場、次に岡山リサーチパークに行きました。参加者は30人弱、小型のバスをかりて皆で回りました。

1. 品川白煉瓦工場見学

備前市にある工場です。原料の配合、成形、乾燥・焼成、検査、荷造り、の過程のほぼ全てがコンピュータシステムで管理されており、工場内にはほとんど人の姿はありませんでした。初めは煉瓦なんて興味ないよ、と思っていましたが、合理化された工場に大変驚きました。また、工場内は埃っぽいかと思っていましたが、とてもクリーンな環境でした。
このシステムのおかげで、省人化・生産拡大に成功したとのことでした。

2. 岡山リサーチパーク見学

岡山市にある産学官一体の研究施設です。緑の多い広大な敷地に、近代的な建物が建っていました。
まずは岡山大学の施設に行きました。ここには、フリーラジカル・モニタ、液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフ、レーザ量子効果素子分析装置、マルチメディア対応生産システムなどの各種装置を備えた研究室が10室ほどありました。お邪魔した時には、岡大の学生が実験をしておられました。
次は、工業技術センターとテクノサポート岡山が一体化したビルに行きました。こちらはたいそう大きな建物で、とても全部は見ることができませんでした。センター内で最も高価な装置は結晶研磨装置だそうです。従来は結晶の表面を何日もかけて磨いていたのをかなり短縮できるようになったそうです。ただし、結晶に欠損がないことが条件になります。
食品の開発をしておられる研究室もありました。これは血圧を下げる効果があります、と説明されると、みなさん目の色が変わられてました。(^^)
予想はしていましたが、ずいぶん年齢の離れた男性がとても多かったので、少し緊張しました。が、気さくで楽しい方ばかりでみなさんワイワイやっておられました。見学中や昼食時には、早く技術士になるようにとの励まし(プレッシャー?)のお言葉を頂きました。とても有意義な見学会でした。

大会 第3分科会 「情報−高度情報化社会の進展を考える」

大会当日の午前中は、4つの分科会に分かれて、それぞれ講演を聴きました。私は第3分科会「情報」に参加しました。情報分科会では、基調講演が1つと、3人のパネラー方の講演がありました。
基調講演は、企業経営と情報化、家庭の情報化、社会の情報化について講演がありました。その中で一番印象に残っているのが、ITSの話です。ハイウェイの料金所をノンストップにしたり、高速では自動運転にする構想が練られています。車間も感知し、速度を調節するそうです。その為には、装置を車に積んでおく必要がありますが、この装置が高くては売れないので、車台+10万円以内に納まるものを作らないといけません。これらがなかなかクリアーできないと言っておられました。雑誌で読んだことはありましたが、実際の開発の苦労話を聞くことができました。

パネラーの方の講演も、とても面白く聴きました。まず、行政の立場の方の講演がありました。岡山の情報ハイウェイについてです。NTTの回線敷設(インターネット接続)を待っていたのではなかなか事が進まないので、岡山県が回線を引き、それを無料で県民に使ってもらっているとの事でした。勿論、税金で運営されています。羨ましい限りです。また、すべての小・中・高等学校をインターネットに接続できるようにしたとおっしゃってました。
次に、民間の立場からの講演がありました。インターネットそのものについて、正の面と負の面について講演がありました。ネットワークが発達すると、便利になる一方、危険も増えてきます。誰もが安心して利用できる技術が求められています。
最後は技術士の立場の方の講演でした。水道局のシステムの開発の話でした。地図と連動させ、故障が生じたら、どの部品が必要か、断水になるのはどの世帯か、その連絡先までも調査可能になっているそうです。
いずれの講演も刺激のある講演でした。

後日談

大会の反省会・忘年会に行って来ました。そこでの報告にあったのですが、技術士補の参加者が1人か2人だったそうです(もしかして、私1人だったのかな?)。技術士補の方々もっと参加されればいいのですが・・・
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